どん底まで来たからあとは上がるだけではなく、這い上がろうとするから、そこがどん底になる。

哲学

「どん底まで落ちたら、あとは上がるだけ」
と言われることがある。
とても素敵な言葉で、ポジティブになれる言葉だと思う。
けれど、どん底なんて、誰にも分からないと思う。
どうなればどん底なのか。

結論から言うと、人生のどん底なんて存在しないと思う。

人生のどん底とは、ホームレスになることだろうか。
逮捕されて服役していることだろうか。
人それぞれ、どん底の定義も違えば、それがどん底かどうかなんて誰にも分からないと思う。

例えば、毎日会社で地獄のような労働を強いられ、睡眠時間も自由な時間もない人と、ホームレスの人、あるいは刑務所で服役中の人、誰が一番どん底なのだろう。
会社勤めをしている人の方が、社会的にはこの中で一番どん底から遠いような気がする。
けれど、社会的ステータスとお金はあるけれど、人に動かされ、自由がない人生なら、社会的地位もお金もないけれど、自由なホームレスの方が自分らしく生きられるかもしれない。
あるいは、刑務所に服役していたとしても、きちんと決まった時間に起床と就寝が出来て、きちんとご飯が出てくるし、給料は限りなく低いけれど、刑務所内で労働し、出所の際にはわずかながらも生活の足しになる給料をもらえる人は、社内で監視されながら、地獄のような労働を強いられる自由のない社会人と何ら変わりないかもしれない。
もちろん、犯罪を犯すこと自体が悪いことであるのは言うまでもない。

要するに、どんな立場になったとしても、どんな環境になったとしても、どん底なんて言える状況はないのだと思う。
他人の価値観、あるいは自分の価値観によって、何がどん底で、どこがどん底なのかは違うし、今がどん底かどうかなんて、誰にも分からない。
上には上があるように、下には下がある。
底なし沼のように、いくらでも落ちていく可能性はある。

私の中でも、人生のどん底だったと思う時期がある。
けれどそれは、今になってその当時を振り返るからどん底だと思うわけであり、その最中にいるときは、どん底かどうかなんて分からない。
つまり、どん底なんてものは存在しないと思う。

そうであれば、「どん底まで落ちたら、あとは上がるだけ」ではなく、
そこを「どん底と決めて這い上がる」ことが大事だと思う。
自分の意志によって、自分が前を向くことによって、自分が上を見あがることによって、そこをどん底にすると決めることが重要なのだと思う。

以前にこのブログで、
明けない夜はない。けれど、夜の暗闇を抜け出す意思のない者に夜明けが来るというほど甘くはない。
という記事を書いた。

それと同じで、這い上がろうとする意思のない者に、人生のどん底なんてものは存在しないのだと思う。

つまり、今を人生のどん底にするかどうかは自分の意志が決めるものだと思う。
どん底まで来たからあとは上がるだけではなく、這い上がろうとするから、そこがどん底になるのだと思う。
その意思がないのに、どん底だから上がるしかないというのは、ただの慰めであり、おまじないでしかないと思う。
けれど、その意思がある者は、いつでも自分のどん底を決めることが出来る。
その意思を持ち続けられる者は、今より上に、さらに上に登れるのだと思う。

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