アイデアとは、ゼロから新しいものを創造することではなく、本当はどうあってほしいのかということを考えること。

ビジネス

以前からこのブログで、考えることは何よりも重要な事であると繰り返し述べているけれど、なかなかそれが難しい。

自動車王と呼ばれた、フォードモーターの創業者であるヘンリーフォードは、

考えることは最も過酷な仕事だ。
だからそれをやろうとする人がこんなにも少ないのだ。

と述べている。

考えることが難しい、あるいは苦手だと考える人は、全く新しいものや仕組みを作り出さなければならないと思い込んでいる節があると思う。

確かに、時には今までになかった全く新しいアイデアが必要な事もある。
けれど、ほとんどの場合はそうではなく、今あるものに新しい要素を加えることで、新しいものや新しい仕組みは生まれるものだと思う。
何もゼロから新しいものを創造するという大それたことである必要はない。

有名な経営コンサルタントであり、セミナー講師であるジェームススキナー氏は、アイデアはどのように出せばいいかと聞かれた際に、

「本当はどうあってほしいのかということを考えることだ」

と答えている。

つまり、今あるものを使ってみて、もっとこうであってほしいと思うことや、今の仕組みで不便を感じていることを改善するだけでいいということだと思う。

そしてジェームススキナー氏はアイデアに関する、実際にあった話を語っている。

“ある高級美容品メーカーは、新製品を作るたびに、プロモーションのために、ブースを構えてサンプルを配ったり、多くの宣伝費をかけていた。そこの社長はそのあまりに高い費用に悩んでいた。そんなあるとき、あなたの商品をあなたが望むような顧客に紹介してあげますという人物に出会った。自社の商品を広めたい社長にとっては嬉しい話だったけれど、気になるのはやっぱり費用。その社長がどれぐらいの費用がかかるのかと聞いたところ、その人物はタダでいいと言った。その社長は驚いた。今まで不特定多数の人にサンプルを配るだけでも相当な費用がかかっていたのに、自分の望むような顧客に自社の商品を無料で紹介してくれるという。その社長は何度も嘘だろ?と言ったが、その人は本気らしく、無料で紹介してくれると言い続けたそうだ。そして契約を結んだ。しかし、その人はどのような人物に紹介するつもりなのだろうか。実は、その人物は豪華客船で移動するセレブ女性たちにアメニティとして使ってもらうつもりだった。そのような人たちなら、いい商品ならお金をかけてでも購入してくれる。まさに社長が求めているような顧客たちであった。しかも、豪華客船側から見ても、シャンプー、ボディソープ、トリートメント、化粧水などといったアメニティにかかる費用は馬鹿にならない。それが無料で、しかも上質な商品が手に入るのであれば願ったりかなったりだ。もちろん、高級美容メーカーと豪華客船の間に入ったこの人物は、豪華客船側からはある程度のお金は貰っていたのだろう。お互いの求めている物を見事にマッチングさせたおかげで、この人物は何もすることなく自動的に大きなお金が入ってくるようになった。”

この話に出てくる人物は、相当頭のキレる人物だと思う。
しかし、この人物が何か新しいものを生み出したかと言うと、そうではない。
お互いの需要を引き合わせただけであって、何かを作り出したわけではない。
けれど、お互いがお互いの需要に気づいていなかったことに気づいたことがアイデアとなったのだと思う。

まさに、お互いの、「本当はどうあってほしいのか」ということに気づいたのだと思う。

このように、アイデアとは何も新しいものを生み出すとか、ゼロから作り出すものではなく、本当はどうあるべきかを考え抜くことで生まれてくるものだと思う。

たまに、アイデアとは天から降ってくるものだという言い方をすることがあるけれど、それは常に思考を巡らせ、考えている人にしか降ってこない。
逆に言えば、常に思考を巡らせている人には、ちょっとした出来事がヒントとなり、気づきのポイントとなり、まるで天から降ってくるようにアイデアが生まれることがある。

実は新しいことをする、改善する、アイデアを出すということは、そんなに身構えることでもなく、難しい事でもないと思う。
今あるものや、今の仕組みが、本当はどうあってほしいのかを考えることが大事だと思う。

もっとこうしたらいいのに、こうなったらもうちょっと上手くいくのに、と誰もが思ったことがあると思うけれど、私も含め多くの人はただの不満として終わってしまう。
けれど、そこにアイデアのヒント、改善のヒントが隠されているのだと思う。
それを追い求め、考えることがアイデアにつながるのだと思う。

コメント

タイトルとURLをコピーしました