Hint-Potの記事にこのような記事がありました。

株式会社lojus(ロフス)の社長である田中麻里奈さんのインタビュー記事です。
このインタビューでは、なぜ田中さんが起業したのかということが紹介されているのですが、実は当時交際していた恋人がガンで余命1年を宣告されたことがきっかけだったとのことです。
当時は就職していて、会社での成績もトップであり、順調にキャリアを積んでいた彼女ですが、社会人2年目で恋人がガン宣告されたそうです。
その時に初めて、これでは家族や大切な人と一緒にいることができないと気づき、生活のバランスの重要性が大切だと感じ、両手で抱えられる人を幸せにしたいと思ったそうです。
私たちは何か一つの事を頑張って伸ばせば、他の事も補えると思ってしまいがちです。
例えば、仕事を頑張って経済的に成功すれば幸せな家庭を築けると思うことがありますが、実は仕事と家庭の問題は別であり、仕事の努力や金銭面で補えるものではありません。
今家庭環境が良くないのはお金が無いからだ。
お金さえあれば上手くいく。
と思って仕事にばかりフォーカスをあてたとしても、気づけば仕事ばかりが上手くいき、家庭の内情はもっと悪化し、ついには経済的成功と引き換えに家族を失った、というような例はたくさんあります。
仕事はあくまでも自分や家族、周りの人と幸せに暮らすためのツールだと考えるべきだと私は思っています。
もちろん、仕事はとても大切なものですが、
仕事やお金それ自体があなたや周りを幸せにするものではないということです。
私の場合は、ちょうど1年前ぐらいに、
当時4歳の娘に悪性腫瘍の疑いがあるということがありました。
首のリンパのあたりがパンパンに腫れあがってしまっていたのです。
当然病院に行ったその日に即入院です。
4歳の女の子にはさぞ辛かったことでしょう。
私の脳裏には、もしこのまま娘が・・・ということばかりがよぎっていました。
そんな風には考えるなと何度自分を言い聞かせても、その時の私には自分を上手くコントロールすることが出来ませんでした。
数日たっても原因が分からない。
あまりにも腫れているものですから、喉が気管を圧迫し、呼吸すること自体難しくなる可能性があるとのことでした。
常に油断は出来ない状況でした。
私がその時に思ったのは、ずっと娘のそばについていてあげたい。
いや、娘のそばにいたい。
そのように考えていました。
しかし、仕事は休めなかったのです。
その時に私の中で「なぜ?」という疑問が付きまとっていました。
なぜ私はこんな時に仕事をしているのだろう。
なぜ私はこんな時に娘のそばにいられないのだろう。
この時に、会社に自分の時間を切り売りすることは辞めようと、強く決意しました。
会社に勤めるということがどれだけ自分の自由と、大切な時間を奪っているか、強く実感しました。
こんな時でさえ娘のそばにいられないなんて、と、自分が情けなかったことを今でもはっきりと覚えています。
結果として、娘の腫れは悪性ではなく、命に関わることもなく、今は元気に過ごしていますが、あの時のあのとてつもない恐怖と、自分の情けなさを忘れることはありません。
ついとりとめのない話になってしまいましたが、このような経験からも、私は自分の人生のあるべき姿というものをしっかり考えるべきだと思っています。
今回紹介した記事も、私も会社勤めではなく起業という方向に向かっていますが、人それぞれ考え方もあれば向き不向きもありますから、起業を進めたいわけではありません。
ただ、人生において自分の大切な人や物は、仕事や経済的なものだけでは補えないということと、そのことについて考える必要があると思うわけです。
もしなんとなく生活するために仕事をしている人や、前述のように仕事や経済的な安定があれば全て上手くいくと思っている人がいるのであれば、それは考え直した方が良いと私は思っています。
事が起こってから気づいても遅いのです。
幸いにも、私たち人間には想像力というものがあり、事が起こる前にそれらを想像する力があります。
たまたま今回紹介した記事と私の出来事は自分の大切な人を失いかけるという部分で一致していますが、そうではなく、
例えば自分の余命が宣告されたなら、または家族を失ってしまったら。
はたまた良い方向に考えて、結婚20周年の時にはどういう夫婦でありたいのか、子供たちが20歳を迎えた時にどういう状況でありたいのかなど。
そのようなことを想像し、そのうえで今の自分でいいのかと自問自答してみてはいかがでしょうか。
自分にとって本当に大切なことが見えてくるかもしれません。
仕事をはじめとして、どんなことでも人生をより良いものにするツールに過ぎません。
もし何かがあなたの人生を良いものにしていないのであれば、そこは考えて改善する必要があると言えるでしょう。
今一度、自分、家族、周りの人の顔を思い浮かべ、自分の人生にとって何が最善なのかを考えていくべきだと思います。
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