塩の辛さ、砂糖の甘さは学問では理解できない。だが、なめてみればすぐ分かる。

名言

塩の辛さ、砂糖の甘さは学問では理解できない。
だが、なめてみればすぐ分かる。

- 松下幸之助 -
(パナソニック〔松下電気器具製作所〕の創業者。経営の神様と呼ばれる経営者。実業家。発明家。)

勉強すること、学ぶことは非常に素晴らしいことであり、大切なことです。
しかし、松下幸之助さんの名言のように、学問では学べないことはたくさんあります。
塩の辛さ、砂糖の甘さも、いくら勉強しても、言葉で説明されても、実際になめてみないとその味は分かりません。

この言葉は、学習することは尊いことだが、経験してみることはもっと尊いことである、そのような意味合いがあります。

それと同時に、この言葉から学べるもう一つの事は、経験した人でないと分からないことがあるということです。

私たちは、知っているつもりになっていることがとても多い。
見たことがある、聞いたことがある、勉強したことがあるというだけで、いかにも自分は知っていると思い込んでいることがたくさんあるわけです。

ビジネスにおいても、その仕事を把握している、どのようにすれば良いのかが分かる、ということはたくさんありますが、実際にそれが出来るかどうか、やろうと試みるかどうかはまた別問題です。
上司が部下に対して、それぐらいの仕事は数時間で出来るはずだなどと言ったりします。
確かに計算上ではそうなのかもしれませんが、他業務との兼ね合いもあれば、突発的な仕事も入ってくることでしょう。
そして人間の持つ集中力は計算では測れません。
計算通りに、ずっと同じ状況で、ずっと同じ集中力でその仕事をこなせると思う方がおかしいわけです。

また、コメンテーターや経営コンサルタントが、このようにした方が良いとか、そんなことは分かっていたことだとか、こうしなかったことが悪いなどと言いますが、言うのは簡単です。
じゃあやってみろ、と言われると、そんなに簡単には出来ないわけです。

同じように、政治なんかでもそうです。
今回のコロナウイルスに関して、安倍総理にはたくさんの批判が集まったりしていますが、恐らく私たちには分からないほどたくさんのことを抱えているはずです。
そんな政策は無意味だ!もっと有効な手段があるだろう!対策が遅すぎる!というような声をたくさん聞きます。
そのような意見は言うべきだと思っていますし、特にこのタイミングではそれが国民の声だと意思表示することは非常に大切だとも思っています。
しかし、何をしようが、いつ、どのタイミングで、どういう対策をしようが、必ず批判の声は生まれます。
いかにも政治を知り尽くしたかのような意見がたくさん出ていますが、これも同じで、実際にやる人、決定する人にしか分からないことがたくさんあるはずです。
確かに政治の事、経済の事、政界情勢の事をよく知っている人はいらっしゃると思います。
しかし、その第一線に立って決断する人の状況や思惑までは絶対に理解できるはずがないわけです。

また、もっと身近なところで言えば、私たちは他人から相談を受けることがあります。
その人の状況、悩みや苦しみを親身になって聞きくことで、その人の苦しみが分かったつもりになって、励ましたり、アドバイスをすることがあります。
しかし、やはり本当の意味でその人の事を理解することは不可能であるわけです。
悩みを聞いている人からすれば、もっとこうすれば良い、その部分がダメなんだと思うこともあるでしょう。
あるいは、そんなことは大したことのない悩みであり、原因が分かり切った小さな悩みかもしれません。
しかし、その状況を今まさに経験している当事者の事を本当の意味で理解することは不可能であるからこそ、そのように思うわけです。

これら全てに言えることですが、経験したことのない人には分からない難しさや苦悩、痛みや恐怖がそこにはあるわけです。

誰かの行動に意見することも、結果としてその人にとっては大切なことだと思います。
誰かの相談に乗ってあげることは素晴らしいことだと思います。
しかし、実際にその事を経験している人と、その事を知っているだけの人とでは全く別次元の現実を見ているという事を知っておくことは非常に重要です。

その事を理解しているかしていないかで、アプローチや行動が変わってくると私は思います。
これも一つの謙虚な姿勢であり、思いやりの形でもあるのではないかと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました