【書評:やる気のスイッチ】著者:山﨑拓巳 “昨日のやる気を、今日出せないあなたへ。”

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『やる気のスイッチ』
著者:山﨑拓巳
発行・発売/サンクチュアリ出版

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本書の概要

“昨日のやる気を、今日出せないあなたへ。”

この本はこのようなメッセージから始まる。

そしてこのように続く。

“よーし、やるぞ!と思うときがある。そのやる気が「ずっと続くもの」だと思っている人のやる気は長続きしない。”

私たちは何かをきっかけにやる気を出すことがある。

けれど、この本の冒頭分のように、やるぞ!と決意したときのやる気とは裏腹に、時が経てば経つほどやる気は失われていく。

誰もがこのような経験をしたことがあると思う。

決意したときのやる気が続けばいいのだけれど、何かをきっかけにやる気を出すことがあるのと同じように、何かをきっかけにやる気を失うこともある。

“やる気は自分の中にあるものなのに、なかなか自由にコントロールさせてもらえない。”

まさにその通りだと思う。

この本は、このようにやる気を持続できない人へ向けて書かれている。

“物事を長続きさせられる人は、そのやる気が「すぐに冷めるもの」だと知っているから、冷めないようにいつも工夫しているのだ。”

この本は、やる気がすぐに冷めない工夫、つまり、やる気を持続させるためのヒントがたくさん詰まった本である。

本書の目次

  1. 自分で選んでいること
  2. 心のスクリーン
  3. 夢は過去完了形
  4. 合意上の現実
  5. 心のチャンネル
  6. モヤモヤノート
  7. スリープ状態
  8. 記憶の編集
  9. 妄想日記
  10. 無意識の検索
  11. ホメオスタシス
  12. ひたすら反復
  13. セルフイメージ
  14. セルフイメージ2
  15. ほめる効果
  16. おまじないの言葉
  17. 悩み相談
  18. やる気の目
  19. 欲求の階段
  20. やる気の正体
  21. 大仕事を片付ける魔法
  22. 出かけるのが面倒なとき
  23. ひとり会議
  24. メンタルブロック
  25. 言葉の力
  26. 本当にやりたいこと
  27. 落ち着け!
  28. うまくいき続けるということ
  29. スランプになる前
  30. スランプになった後
  31. めげない目標
  32. アンティークとボロ
  33. 嫌いな人
  34. 最後のスイッチ

目次の手前にはこのように書かれている。

“この方法は、ぼくが考え出したものじゃない。いろんなところから受け取った知識と知恵を、自分なりに解釈し、何度も何度も試してみて、本当に使えると確信したものだけをまとめたものだ。”

この本は上記のように34項目で成り立っており、短編集のようにそれぞれの項目ごとに完結する。
つまり、やる気のスイッチが34個紹介されている。

1つずつ、短く、そして分かりやすくまとめられているため、きっとこの中に、自分にバシッと合うやる気のスイッチが見つかると思う。

その自分に合うやる気のスイッチを見つけることで、やる気をコントロールするための道が拓けてくると思う。

本記事では、34個のやる気のスイッチの中から、私個人的にバシッと合ったやる気のスイッチをいくつかピックアップして紹介したいと思う。

夢は過去完了形

“あれが欲しい。でも、そのためには苦労しないとダメだ。そう思っている人は、簡単な方法には見向きもしない。苦労をともなう方法だけに興味を抱き、一心不乱に努力しはじめえてしまう。”

特に日本は、努力こそが美学だという風習がある。

確かに努力は大切だし、なんの努力もなしに何かを得ることは出来ない。

けれど、わざわざ難しいことや苦労することに努力を注ぐ必要はないと思う。

簡単な方法、効率の良い方法、楽な方法を見つけることや考えることに努力を注ぐことも大切。

何かを得るためには苦労しなくてはならないと思い込んでいる人は、そこにしか視点が向いていないから、何の疑いもなく、迷わずその方法に努力を注いでしまう。

けれど、もっと広い視野を持ち、それ以外の、もっと簡単な方法を探すことに努力を注ぐことの出来る人は、意外と簡単にそれを得るための方法を見つけ、いとも簡単にそれを得ることが出来る場合がある。

努力、根性、忍耐、これらはもちろん大切なものであるけれど、簡単に欲しいものを手に入れられる方法があるのであれば、わざわざ苦労して手に入れる必要はない。

そんな方法があるかどうかは別として、そのような視点を持つことが大切なのだと思う。

その視点を持つためには、欲しいものを手に入れることは難しいものだという思い込みを取り除くこと。

この著書ではそのことについて、このように記載されている。

“この「簡単かも」という気持ちを手に入れるには、すでに欲しいものを手に入れたときの、気分を先取りする必要がある。それを持っていることが、当然だと感じている心の状態だ。そのためのひとつの方法として、「いま欲しいもの」を、文字や言葉、心の中で「もうとっくに手に入れてしまったもの」に書き換えるといい。「いつか家を建てたい」という夢はどうするか。「とうとう家が建った」ではドラマチックすぎて、達成感がつきまとう。「家を建ててから、もう2、3年は経つなあ」という、すでに落ち着いた、過去完了形の言葉に変換するのだ。”

これに関しては、あの自己啓発の祖とも呼ばれるナポレオンヒルも、自身の代表作とも言える著書、「思考は現実化する」の中の「願望実現のための6カ条」でこのように書いている。

あなたはもうすでにその願望を実現したものと考え、そう自分に信じ込ませることが大切である。

つまり、欲しいものを手に入れることは難しいとか、苦労を伴うものであるというのは勝手な思い込みであり、手に入れたい、手に入れたいと思っているうちはその思い込みを強化させてしまうことになりかねない。

だから、すでに手に入れているという視点に立ってみることで、視点が変わり、景色が変わる。

そうすることで、欲しいものを手に入れるためには苦労しなければならないという思い込みは薄れ、簡単な方法を見つけるという方向にも視野が広がるのだと思う。

欲しいものを手に入れるには苦労しなければならないと思い込んでいるうちは、苦労だけを引き寄せるということだと思う。

合意上の現実

私たちは誰もが漏れなく合意上の現実の中にいる。

たとえば常識というものも、誰が決めたものでもなく、子供のころから教わってきた、あるいは感覚的に学んできた社会のルールに過ぎない。

私たちは無意識のうちにそのルールに合意して、日々生活をしている。

このことに関して、この著書はとても上手く表現している。

“たとえば砂場で遊んでいる子どもが2人いて、「こっちから向こうが海ね!」とキャッキャ言いながら楽しんでいる。「落ちたら3秒でサメに食われる~。この石は地雷ね。踏んだら爆発するぞ~!」そこにもう一人、なにも知らない子どもがやってくる。まわりから見ればただの砂場だが、足を踏み入れた瞬間…「あ、そこ海だよ! 早くこっちへ!」「え?」「サメが来るよ!」「え?」と戸惑いながらも、駆け足で逃げ出した。この瞬間、その子は合意したことになる。砂場の中で、新しい現実を見ているのだ。子どもたちの取り決めによって作られた現実。その延長線上に、大人の現実=社会がある。しかし目の前の現実は、みんなとの約束によって見せられた現実だということを忘れないでほしい。「絶対できない、なれない」と思ったら、知らないうちに「絶対できない、なれない」とすり込まれて、そう見えているんだということを思い出した方がいい。それはただの思い込みであって、あなたの行動を制限していることにはならないのだから。”

世の中のほとんどはこの合意上の現実で出来上がっていると思う。

同じ事実を見ている二人がいたとしても、それぞれその事実の捉え方は異なる。

この世の事実それ自体には、実はほとんど意味はないと思う。
あるのは、その事実を見て私たちがどのように捉えるかということだけ。

その捉え方の違いで、見えている現実も変わってくる。

現実とは、あってないようなものであり、私たちがどのような合意をしているかによって変わってくるものだと思う。

記憶の編集

“「昨日の自分」は記憶であり、「明日の自分」は希望だ。子どもの頃の「今日の自分」は、なにかを判断するときにはいつも「昨日の自分」ではなく「明日の自分」に相談していた。ところが、大人になるとたいてい「昨日の自分」と相談する。そして「昨日の自分」と会話をはじめた瞬間、先のことが想像できて、自分で心をブロックしてしまう。自分はこれくらいだ、と思わせるブロックだ。”

私たち大人が物事を判断するときは、過去の記憶を頼りに判断することが多い。
それは、今までの経験というものがあるから、経験から物事を判断する。

けれど、子供は経験がない分、物事を判断する基準は希望や好奇心であることが多い。

これらのどちらが良いか悪いかという問題は別として、記憶から物事を判断する場合、少なくとも希望や好奇心をブロックすることになる。

希望とは、未来に望みをかけることである。

だから、過去の記憶を探ったところで、当然それは無理だということになる。

このようにして、記憶は希望をブロックする役割になることが多い。

そうであれば、希望を抱いたのであれば、この記憶というブロックを取り除かなければ希望は叶わない。

記憶というブロックは思い込みの一種でもあり、この思い込みというリミッターがある限りは、そのリミッターの外に飛び出すことは出来ない。

ここでノミのサーカスという有名なお話をご紹介しよう。

蓋をした瓶の中にノミを入れておくと、しばらくは逃げようとして一生懸命高くジャンプする。
けれど、何度も見えない蓋にぶち当たっているうちに、とうとうあきらめてしまう。
そしてノミを瓶の外に出して蓋が無い状況にしても、一度高くジャンプすることを忘れたノミは、瓶の高さまでしか飛べなくなってしまうというお話。

何がそのようにさせているかというと、まぎれもなく過去の記憶と経験がそうさせてしまっているということ。

つまり、この記憶というブロックがあるうちは、どれだけ自由な状態であろうと、条件がそろっていようと、希望に向けて飛び出すことは出来ない。

過去の記憶とは、それほどまでに強力なものであると言えると思う。

とは言え、過去を変えることは出来ない。

過去を変えることは出来ないから、記憶を変えることも出来ない。

だから、記憶というブロックを取り除くのは難しいかもしれない。

けれど、過去の事実そのものを変えることは出来ないけれど、過去の事実をどのように捉えるかによって、過去の記憶、解釈、理解、イメージは変えることが出来る。

昔、貧しかった人は、貧しかったからこそ豊かになりたいという思いが人一倍強くなることがある。
いじめられていた過去がある人は、いじめられていたからこそ少々の辛いことがさほど気にならなくなり、根性が座ることがある。
人に裏切られた人は、裏切られたからこそ人を見る目が養われることがある。

そして実際に、このように辛い状況を経験したからこそ、今上手くいっている人もたくさんいる。

つまり、過去がこうだったからこうなってしまうと考えるか、過去がこうだったからこうなれると考えるのかの違いで、過去の事実の捉え方は全然違ってくる。

過去の事実そのものを変えることは出来ないけれど、過去の事実をどのように捉えるかによって、記憶のブロックを取り除くことが出来、未来を変えることは出来る。

過去の事実を変えることは出来ないけれど、記憶をどのように活用するか、どのように編集するかは自分で選択することが出来る。

スランプになる前

“なぜスランプになるのか。こんな話を聞いたことがある。バッターの鉄則。苦手な球に手を出してはいけない。いいバッターは駆け引きの中で、自分の打ちやすい球をピッチャーに投げさせる。追い込まれているならともかく、苦手な球は打ってはいけない。それが好調なときは、ついつい打ってしまう。好調なので、打ててしまい、ヒットになってしまうのだ。しかし、自分の苦手な球に手を出しているうちに、微妙にフォームが崩れてくる。そして知らず、知らず、歯車が狂いはじめ、ある時突然、打てなくなってしまう。元に戻そうにも方法がわからない。これがスランプのしくみだ。”

私自身も過去に野球をやっていたこともあって、このスランプの仕組みは理解しているし、この仕組みは真理だと思う。

とある野球選手は、絶好調のときはボールがまるでバスケットボールに見えると言っていた。

絶好調のときはそれほど、どんな球が来ようと打ててしまう。

これは私たちの人生でも同じだと思う。

人生でも何もかもが上手くいってしまう時期がある。

そのときは何もかもが上手くいくから、あまり深く考えずに手を出してしまいがち。

それでもほとんどのことが上手くいくものだけれど、ある日突然上手くいかなくなることがある。

勝って兜の緒を締めよという言葉があるように、あまり調子に乗りすぎるとその分の反動は大きくなる。

ちょっとした失敗ぐらいで済むならいいけれど、調子がいいときほど詐欺などにも引っかかりやすいものだし、大きな勝負をしてしまいがち。

少しの気のゆるみが致命傷になることだってある。

そうであれば、調子のいいときほど謙虚に、基本を大切に、自分のスタイルに忠実になる必要がある。

一気に上昇気流に乗ることも素晴らしいことだけれど、一つ一つ積み上げていくことの方がもっと大切だと思う。

土台を積み上げてきたつもりが、その土台がスカスカで、一気に崩壊するということは決して珍しくない。

そんな時は大抵一気に上昇気流に乗ってしまった場合が多い。

一発屋と呼ばれる人のほとんどはそれに該当するかもしれない。

一発屋が一発屋で終わる理由は、なぜ自分が成功したのかを当の本人が理解していないからだと言われる。

つまり、積み上げてきた物よりも成果が大きすぎたのだと思う。

永続的な豊かさを得たいのであれば、まずは自分が何者なのかを知り、自分のスタイルに忠実に、日々その土台を積み上げていくことが大切なのだと思う。

まとめ

上記に紹介したように、本書ではやる気を出すための方法というよりも、やる気が冷めない、やる気を持続させるための方法が多く紹介されている。

人が何かを継続できない理由は、やる気を出せないことよりも、そのやる気が続かないことの方が多いと思う。

何かを決断し、やる気を出すことは意外と簡単に出来るけれど、その熱を冷まさずに継続することは難しい。

本書は、その熱を冷まさないためのヒントがたくさん詰まった本であると思う。

今回紹介したのは、34個のヒントのうち、私個人的にバシッと合った4個。
これ以外にもたくさんのやる気のスイッチが紹介されている。
それぞれに合うやる気のスイッチが必ず見つかる書籍であると思う。

著者の紹介

山﨑拓巳(やまざきたくみ)
1965年三重県生まれ
広島大学教育学部中退
22歳で「有限会社たく」を設立し、現在は3社を運営。
「凄いことはアッサリ起きる」 -夢- 実現プロデューサーとして、リーダーシップ論、コミュニケーション術、仕事術、メンタル/タイムマネジメントほか多彩なテーマで年間約200件の講演、セミナーを実施。現在までに延べ150万人以上にスピーチを行う。
(本書出版時)

山﨑拓巳オフィシャルサイト
http://www.taku.gr.jp/

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